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『スーパー掃除テクニック』
第三章

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第三章第3章 プロ流住まいの救急補修

排水、水漏れ、害虫などのトラブル

生活が便利になればなるほど、ちょっとした器具や、設備のトラブルは起こりやすい。 プロに頼むまでもないトラブルや、急いでここまでの手当てをしておけば、急場はしのげる、あとはゆっくりプロの補修を頼む、といった、救急対策のプロ流をご披露しよう。
























1.ふろ場、キッチン、トイレの排水口の詰まり対策

●ゴミを排水口に流さないのがいちばん
 排水口には水とともにいろいろなゴミが流れます。ふだんからゴミを流さないように気をつけることがいちばんなのですが、うっかり流してしまったり、ゴミをとるのがめんどうでそのまま流しつづけている人も多いようです。排水管の詰まりを除去する方法は、ふろ、キッチンの流し、トイレの便器など、どこでも基本的には同じです。

●ふろの排水口の詰まり
風呂排水口掃除 ふろの排水口を詰まらせる元凶は、まずなんといっても髪の毛でしょう。
髪の毛が流れてどこかにひっかかると、それにアカやせっけんカスなどが絡みつき、流れを止めてしまいます。特に、長い髪の女性が使うおふろは詰まり
やすくなります。排水口のスノコ(金属ぶた)に絡まった髪の毛は、おふろ上がりに必ずとり除く習慣をつけましょう。排水管は、家の中を横切って本管まで長くつづいていますから、どこで詰まっているかわかりませんし、詰まった部分を目で確認できるわけでもありません。しかし全般的にいえることですが、奥のほうで詰まっていることは少なく、入り口付近の詰まりがほとんどです。ですから、入り口付近をよく注意してみると案外簡単にわかります。 なお、排水管の中には雑菌があり不衛生です。必ずゴム手袋をして作業しましょう。
また、市販されているパイプ洗浄剤は、悪臭の除去や詰まりに予防効果があります。




●排水口の金属スノコに詰まっている場合
 ふろの排水口には、ふつう金属製のスノコがついています。単にその部分に髪の毛が絡まってふさいでいる場合には、それをとり除くだけで、排水がよく通るようになります。

●防臭カップに詰まっている場合
 排水口のスノコの部分を、マイナスのドライバーで持ち上げます。スノコがただのせてある場合と、ネジになっている場合、小さな出っ張りで止めてある場合があります。そのどれに該当するかをよく確認してからはずします。スノコの下には、防臭カップが釣り鐘状においてあり、臭気が逆流するのを防いでいます。この防臭カップを持ち上げると、そこに髪の毛などが詰まっていることがあります。割り箸などを使って、詰まったものをとり出します。けっして流してはいけません。流すと排水管の先で再び詰まる可能性が
あるからです。

●排水管の奥のほうで詰まっている場合
 以上の二か所を点検しても、まだ詰まりが除去できないときには、もっと奥のほうで詰まっていることになります。

@吸引力ップで吸う
吸引カップは空気を送り込む道具ではなく、水圧で詰まりを除去するものなので、水を流して少しためながら使います。この道具で、水を急激に行き来させることにより、詰まったものを除去します。何回かやっていると、ポコッという音がして、詰まりがとれ、水がスムーズに流れるようになります。

排水管の掃除Aワイヤーを使う場合
吸引カップを使っても詰まりが除去されないときは重症です。本来ならプロに相談すべきところでしょう。
しかしワイヤーを使う方法もあります。これは、鉄線をスプリング状に巻いて自由に折れ曲がるようにした、排水口の詰まり専用の道具で、プロ用のものはたいへん高価ですが、一般家庭の簡易式のものも市販されています。住宅用強力洗剤を排水管に少し流したあと、このワイヤーを少しずつ入れていきます。使うときに注意するのは次の二点です。
 a 排水管は、いろいろなところで曲がっていたりL字型につないであったりして、まっすぐにはなっていません。ワイヤーを回転させながら挿入すると、L字型のところでも案外スムーズに進んでいきます。このときワイヤーが管の内壁をこするので、狭くなっている部分の汚れもとれ、流れもよくなります。
 b ワイヤーを無理に先へ進めないこと。無理して動かすと、ひっかかったワイヤー自体が排水管から抜けなくなる場合があるからです。あまり強引に押し込まずに、回転がきつくなったら、反対に回してみます。万一ワイヤーがひっかかってしまったら全くお手上げです。ある程度やってみてダメなときには、やはりプロに相談したほうが賢明です。


●定期的にパイプの点検を
 パイプの詰まり除去は、詰まったときにだけ行うのではなく、定期的に行うのがよいのです。できれば年に二回は点検しましょう。マンションなどの集合住宅では、全戸いっせいに行う必要があります。いつも流れ方に気を配り、重症にならないうちに対処しておくことです。

●キッチンの流し台の詰まり

流し台つまり 流し台は、野菜くずや油などが流れて詰まりやすいところです。 詰まり方は浴室などと同じで、やはり入り口近くが詰まりやすくなっています。排水口のゴミのバスケットや防臭カップをはずし、生ゴミなどが詰まっていたらとり除きます。それでも詰まりが確認できないときには、吸引カップを使います。ただし流し台は、排水パイプとの間が蛇腹状のパイプでつながっており、急水流とはならず効果は半減します。なお、ワイヤーを使うときには蛇腹パイプをはずし、直接床の排水管から入れます。











●トイレの詰まり
トイレのつまり トイレの大便器の場合、詰まる場所がきまっています。(図参照)水を流しながら吸引カップを使って急水流をつくり除去します。それでもとれないときには、プロは便器を床からはずして逆側からとり除きますが、一般のかたではちょっとむずかしいかもしれません。手に負えないと判断したら、すぐプロに連絡してください。


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2.漏水対策、パッキング交換法


●まず、元栓を止める
パッキン交換1水道の漏水に気づいたら、まず、元栓を止めることです。元栓を止めればそこで給水がストップされ、それ以上の漏水はなくなります。













●床の水を大至急ふきとる
水が止まったら、床にたまった水を大至急、ぞうきんやバスタオルでふきとります。床の水が片づいたら、今度は漏水箇所を確認し、パッキング交換などの対策を立てます。

●水栓のパッキングは定期的に交換する
 水道は、毎日あけ締めされるので、案外酷使されているものです。特に、水を止める役目をしているパッキングはゴム製で傷みやすいので、定期的に交換しなければなりません。

●漏水症状別パッキングの交換の仕方

パッキン交換2パッキン交換3パッキン交換4





















(1)水道の栓を締めても水がポタポタ漏れる
これはパッキングがすり減っている場合です。以下、パッキング交換のプロセスを箇条書きにしましょう。

@水道の止水栓を閉じます。そして、ほんとうに水道が止まったかどうかを蛇口を開いて確認します。

Aハンドルを少しゆるめ、カバーナットがはずれる余地をつくり、プライヤーを使ってカバーナットをはずします。このとき、カバーナットに布を巻いて、プライヤーのきずをつくらないようにします。次にハンドルを左に回していくと、スピンドルがはずれます。

Bコマが見えますので、ピンセットや割り箸などでつまみ上げます。コマを交換して逆の手順で組み立てます。

(2)カバーナットから漏れる場合
 カバーナットの内側についている三角パッキングのすり減りが原因です。
@水道の元栓か蛇口の下についている止水栓を閉じます。
Aハンドルを止めているカラービスをプライヤーではずします。
Bハンドルを少しゆるめてからカバーナットをはずします。カバーナットにぞうきんなどを巻いておくと、プライヤーのきずもつきません。
Cカバーナットの内側かスピンドルに三角パッキングがありますので、交換します。逆の手順で組み立てます。

(3) 首振りパイプから漏れる場合
 首振り式のパイプは、全自動洗濯機をつないだときなどに水圧がかかって漏れることがあります。
@プライヤーでナットをゆるめ、パイプをとります。
Aパッキングは断面がU字型をした特殊なものです。通常はパイプにかぶさっているのですが、蛇口の中に残ることもあるので、つまみ出します。
Bパイプリングの上にパイプパッキングをはめます。このときU字の開いているほうが水栓側にくるようにセットします。パイプをはめたあとナットを締めます。

(4) 水栓のつけ根から漏れる場合
 水栓を止めてあるシールテープがゆるんだときの漏水です。
@止水栓を閉じます。
A布で保護し、プライヤーでねじって水栓をはずします。
B根元パッキングを通し、シールテープを少し引っばりながら、時計回りに三十センチほど巻いていきます。

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3.壁の簡単塗装術DIY

●便利な水性塗料
 ちょっとした補修程度の塗装なら自分でやってしまいましょう。 最近は水性塗料が普及し、仮にこぼしてもぞうきんでふくだけでよくなりました。また、塗料の粘度やのびも改良され、素人が使ってもきれいに仕上がるようになっています。

●塗装用ローラーで重ね塗り

 塗装は、塗料を表面に塗ることにより、下地の難点を隠します。そのため、なるべく厚く塗料を塗ることが必要なのですが、あまり厚く塗りすぎると塗料がたれてしまいます。ですから、何回かに分けて重ね塗りします。また、平面に塗るときには、ハケで塗るよりは塗装用ローラーを使い、すみや端の部分だけハケ塗りすれば、手間も省けて仕上がりもきれいです。

●塗料を塗る手順

壁塗装のコツ[作業する前に] ほこりがついているところは、除塵用の毛足の長いハケで払ってきれいにしておきます。
 また、塗料がほかの部分にかかってもいいように、床に新聞紙や古カーテンなどでおおいます。プロの間ではこれを養生″と呼んでいます。
ビニールをかけてもいいようなものですが、こぼした塗料が流れてしまうのが難点です。大きなぼろきれなど、塗料を吸ってくれるような素材の物を使いましょう。
さらに、塗るところと塗らないところの境目がはっきり出るように、マスキングテープをはって養生≠オます。すき間をあけないようにきちんとはりましょう。









[塗料を塗る]
 次の三工程を意識しながら、作業を進めます。
 @のせる  まず塗料を、塗る面にのせる。
 Aのばす  のった塗料を均一にのばし、塗り残し、塗りムラがないようにする。
 Bそろえる 最後に一定方向にハケ目をそろえる。

●ローラーの力は均一にかける
 ローラーを使う場合は、塗る面とローラーが平行に当たるようにします。片側に力がかかると、塗料が筋を引いてしまうからです。筋が引かれてしまったら、そのままにせず、ローラーでこすりならして均一にします。

●塗料がこぼれたらすぐにふきとる

 塗料がこぼれたり、他の場所についたりした場合は、作業を中断してでもすぐにふきとることがたいせつです。水性も油性も、乾くととりにくくなるのです。水性塗料はぬれぞうきんでふくととれますし、油性塗料ならシンナーを含ませたぼろきれでふきとります。

●端とすみはハケ塗りを

 端やすみはローラーが届かないので、小回りのきくハケを使います。ハケには毛先三分の二程度まで塗料をつけます。毛の根元まで塗料がついてしまうと、塗料がたれる原因となります。もし作業中に根元まで塗料がついてしまったら、ぼろきれでいったんハケの塗料をふきとります。

●少しずつ面積を区切って塗る

 塗装は一度に大きな面積を塗ろうとすると失敗します。ハケやローラーについた塗料で、少しずつ根気よく塗っていくのがポイントです。ハケの毛先三分の二につけた塗料では、五センチから十センチの長さを塗るのがやっとです。ローラーも五十センチ四方を目安にします。

●できれば二度塗りがベター
 二度塗りは、一度目の塗料が完全に乾いてから行います。一度塗りだけでは、塗り終わったばかりのときはきれいに見えても、何か月かたつと下地の色が透け、塗装の濃淡があらわれてくることもあります。

●養生″をはがす

 二度塗りしないときは、塗料が乾く前にマスキングテープをはがします。乾いてからでは、塗料がかたくなり、はがしにくくなる場合があるからです。全部はがしたあとで、塗装の不十分な箇所や、手で汚れてしまった部分をハケでなでてタッチアップ(補修)し、きれいにしておきます。

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4.壁紙のはがれ補修法
 
壁紙には紙製、布製がありますが、現在ではビニール製が主流です。絵柄の種類も豊富で、一見しただけでは、布、石、木、金属と見まちがうものもあります。また、防虫、防カビ、防音、消臭、結露防止などいろいろな機能を持つものまで出てきています。ビニールは、汚れてもふけばすぐに落ちるので便利です。


●壁紙のはがれた部分の補修

壁紙のはがれの補修 壁紙が継ぎ目や端の部分からはがれてくることがあります。施工時の糊が弱くてはがれたと思われがちですが、そうではない場合が多いようです。壁紙がはがれる原因で多いのが、カビが糊を食って接着力がなくなってしまった場合と、長い間に壁紙が劣化してかたくなり、まくれ上がる場合です。カビが壁紙の裏に生えた場合は、漂白剤でていねいにふいたあとはり直します。ビニール製の壁紙といっても、表面のビニール層と裏面の紙の層をはり合わせた二重構造になっています。したがって、はがれた部分を補修するのにビニール製だからといってボンドを便うのは誤りです。紙を接着するふつうのデンプン糊ではり直します。 まくれ上がっている場合には、壁紙がかたくなっているので、デンプン糊ではなかなか接着しない場合があります。そういうときには、まくれ上がる部分の壁紙に糊をつけて上から厚紙をあて、画びょうで押さえて、糊が乾くまで止めておきます。壁紙は古くなるとちぢんできますので、きちんとはり合わせてもすき間があくことがあります。すき間には、同色のコーキング剤を塗っておきましょう。

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5.網戸の部分補修とはりかえ
 
網戸は子供やペットがいたずらして、たわみが出たり破れたりします。業者に頼まなくても、ちょっと手間はかかりますが、家庭で修理してみましょう。


●網戸が破れて穴があいたとき(部分修理)

網戸の補修 網戸の破れた穴の周囲をハサミで切ってととのえます。新しい網をその穴より大きめに切って合わせ、セロハンテープで仮止めし、ボンドでしっかり
と止めます。














●全体をはりかえる

アルミサッシの網戸の場合
@サッシのわく部分のみぞに止まっている押さえのゴム(ビート)を、マイナスのドライバーで端を引き上げながらはずします。はずしたゴムは、汚れをふきとります。

A網をはずしたわくは、平らな場所におき、上から新しい網をかぶせます。網は引きながらはっていくので、少し大きく切り、また巻きぐせがついているので、すみの部分を、大きなクリップかガムテープで止めながらかぶせます。

B一方のみぞに、専用のローラーかドライバーなどを使い、網の上からゴムをみぞに押し込んでいきます。目違いにならないように、網目をよく確認しながら押し込みます。

C一応はり終えたら立てかけ、たわみが出ていないかどうかを、いろいろな角度から見て確認します。特に、四すみがたわみやすいので、注意します。もしたわみがある場合には、ゴムの外側から網を引いてみるか、それでもとれないときには、その部分のゴムを少し浮かして網を引きながらやり直します。

D最後に、余分なゴムと、ゴムの部分から出ている網をカッターで切りとります。


網戸のゴムを切る目次へ










6.ふすまのはりかえ

●ふすまのはりかえ
 はりかえるといっても、上からはり重ねる作業です。裏紙をぬらしてはりますので、破れないようにすることがポイントです。

@引き手をはずす

引き手の釘をはずす 引き手は小さなくぎで止めてあります。マイナスのドライバーを、引き手とくぎの頭の間に滑り込ませ、こじるようにして浮かせます。
 次に、ヤットコかニッパーでくぎをはさみ、抜きます。上下二本のくぎを抜いたら引き手もはずします。

Aわくをはずす
 左右のわくは、くぎで止めてあります。止め方の主なものは次の三種です。

イ 折れくぎ 
  最も一般的な止め方。くの字に曲げたくぎをかまちに刺して止めてあるので、反対側からたたけば簡単に抜けます。
 
ロ 横からくぎを打っている場合 
  横わくを、外側からくぎで止めてあります。くぎの頭が見えますので簡単にわかります。縦わくとかまちの間にドライバーを差し込んではずします。
 ハ くぎの頭で止めてある場合 
   かまちに頭の大きなくぎを打ち、縦わくの内側にみぞを切って差し込んで止めてあります。イの折れくぎ同様にたたけばとれるのですが、
   いきすぎると再び締まってしまうので注意。



ふすまを貼る前にBふすまの穴の補修
 現在のふすま紙は、これからはろうとするふすま紙にとっては、いわば土台となるものです。 穴があれば補修します。(図参考)穴は周辺をカッターできれいに切り、手でさわってみて平らになるようにします。ふすま紙を穴よりやや大きめに切り、裏側全体に糊を塗って水分が十分紙にしみ込むまで少し時間をおき、たわまないように気をつけながら穴の上にはりつけます。補修の紙が完全に乾いたら、さらにその上に茶ちり紙などのごく薄い紙を補修紙より一回り大きく切ってはります。どうしてこんな作業をするかというと、
補修紙一枚の厚みでできる段差が新しくはったふすま紙に裏うつりすることを防ぐためです。









Cふすま紙を切る
まず、ふすま本体の寸法をはかります。次に、縦横の両側に一センチずつ(縦二センチ、横二センチ)の折り返し分を含んでふすま紙を切ります。

D糊をつける
 ふすま紙は裏返して、周囲五センチくらいに糊をつけ、中央部はハケで水を塗ります。この方法は袋張りといって、中央部に糊がついていないので下地にはりつかず、しわができにくく素人でも簡単です。このとき、全体がまんべんなくぬれているかどうかを光の反射を頼りに確認します。ふすま紙は水をつけるとのびますので、完全にのびるまで一呼吸待ちます。紙が完全にのびないままではると、仕上がりがピンとなりません。これが、ふすまはりの作業の中でいちばん重要なポイントです。

Eはる
 ふすまを上下反対に立てかけます。ここで、なるべく垂直に近く立てかけるのがコツです。糊を塗ったふすま紙を破かないように注意深く指ではさみ、上下左右一センチずつ糊しろが残るようた本体にのせます。ついで、中央部から外側へ向かって乾いたなでパケでなで、空気を押し出します。この作業は手早くリズミカルに行うのがポイントです。
端の糊しろの部分を折り返し、四すみはきちっとたたみ込みます。

Fわくを組み立てる
 ふすま紙が十分に乾燥したら、はずしたときと逆の手順でわくをとりつけます。引き手の部分は指で位置を探って、カッターで放射状に切り込みを入れ引き手をくぎで止めます。


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7.障子のはりかえ法

障子のはりかえ

障子の張替 障子紙は、以前は三十センチくらいの幅のものしかなく棧ごとに重ねばりしなければなりませんでしたが、現在は九十センチ幅のものもあり、一気にはれるようになりました。

@古い障子をはがす
 古い障子紙をはがすには、棧の部分の裏からハケや霧吹きでたっぷりと水をつけ、古い糊がふやけて紙がはがれやすくなるまでしばらくそのまま放置します。はがすときはあせらずゆっくりと行い、はがし残しがあったら、何回かこの作業を繰り返します。下のほうから棒でくるくると巻きとっていってもよいでしょう。
 ふろ場や庭に持ち出して、障子全体に水をかける方法もありますが、棧に狂いが出るといってきらう人もいます。
しかし棧が茶色になっているような古い障子は、アクが出ていて新しい紙を汚すことがあるので、水洗いしたほうがよいかもしれません。古い紙がきれいにとれたら陰干しします。

A棧に糊をつける
 糊は、濃いめのデンプン糊を使います。よくまちがえて、木工用ボンドや合成樹脂系のボンドを使う人がいますが、これらは乾くと水にとけず、次にはりかえるときに苦労することになりますので、避けてください。また薄い糊ですと、障子紙が水分を吸い、棧の部分の紙がのびてはりにくくなります。
 糊は、ハケの側面で棧をたたくようにしてつけていきます。つける順番は、棧の部分を先につけ、かまち(わく)の部分はあとでつけるようにします。
これは、先に糊づけした部分が作業中に少々乾いても、かまちにしっかり糊がついていれば、ピタッとはれるからです。特に、四すみの部分は、しっかり糊をつけます。

B障子紙をはる
[九十センチの障子紙を用いる場合]
 障子紙は床に広げて、その上に糊のついた障子をゆっくりとのせます。そして、障子の棧を何カ所か上から押します。 こうすると、紙が棧によくくっつきます。次に、紙のほうが上になるように障子を引っくり返し、余分な紙をカットします。

[三十センチの障子紙を用いる場合]
 障子紙一巻きでふつう四枚の障子がはれます。障子を上下逆さまにして、下の部分から順番にはっていきます。こうすると、正規に立てたときに紙の合わせ目が下を向くので、ほこりがたまりません。

C紙を切る
 ぬれた紙は切りにくいので、カッターの刃は新しいものにかえておきます。 障子のかまち(わく)はよく見ると、紙の部分だけ少しへこんでいますので、これに沿って切るようにします。カッターは寝かせるようにして少しずつ切ること。立てて切ると、鋭利さがなくなりひきつれて破れてしまいます。このとき、内側からヘラか定規をしっかりあてていると、内側まで破れることはありません。

D霧を吹く
 糊が乾いてもたわみが残っているときは、障子の裏側から霧を吹いておくと紙が少々ブカブカとたわんでいても、乾いたときにはピンとなります。
ただし、糊が乾いてから霧吹きをすること。最近は、霧吹き不要の障子紙が市販されています。


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障子の桟の補修★障子の棧の補修★

 障子の棧と似たような材質と太さの木をさがしてつなぎ合わせます。折れた棧の先端を平らにきれいに切りとり、長さを合わせて切った木を木工用ボンドで接着してつなぎ合わせます。十分に乾くまで、大きなクリップなどで、仮押さえしておくとよいでしょう。



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8.害虫対策家庭版



●害虫の成育を促す現代住宅
 現在の大多数の住宅建築は気密性が高く、特にマンションなどでは、閉め切ると外気の通風がほとんどなくなります。また、新築のマンションはコンクリートが完全に乾く前に入居者を募集してしまうことがあり、数年間は湿度の高い状態がつづきます。そのようなところに畳やじゅうたんを敷くと、湿度が高いうえに温度も高く、食べかすや人間のあかといった栄養源も豊富で、ゴキブリ、ノミ、ダニなどの害虫の成育にはうってつけの環境となります。 これらの害虫は本来、梅雨時から夏にかけて繁殖するものでしたが、今はエアコンで室内が一定温度に調節されていますから、年じゅうすみついているといっていいでしょう。害虫は単に不快で不衛生というばかりでなく、ことにダニのふんはゼンソクの原因といわれています。

●部屋の湿度を下げる工夫を
 ダニは程度の差こそあれ、どこにでも生息しており、完全に駆除するのはむずかしいものです。人体に害のない程度に生息数を落とすしかありません。ダニは、部屋の湿度が70パーセント、畳の内部湿度が15パーセントを超えると大繁殖するといわれています。また高温に弱く、50度の温度では数分で死滅します。そこで、一般家庭でできるダニ対策の一つは湿度をコントロールすることです。晴れた日には窓をあけ放ち、室内の換気をよくすることを心がけます。特に共働きで留守がちな家はエアコンをつけるか除湿器をおいて湿度を下げる工夫をしてください。

●ゴキブリの駆除
 ゴキブリは暗くて湿度が高く、暖かい場所に生息します。ことにレンジ台の下や冷蔵庫の裏側、流し台の裏などは格好のすみかです。捕獲器や殺虫剤をおくときには、この習性を知ったうえで的確なところにおくようにします。 とっさの場合には、台所用洗剤や食用油をかけると窒息死します。

●シロアリの駆除

シロアリの駆除 シロアリは、アリと名がついていますが、アリの仲間ではなく、昆虫分類学上むしろゴキブリに近い種類です。よく羽アリが飛んでいるのを見てシロアリという人がいますが、羽アリとシロアリは違います。区別の仕方は、シロアリの羽根は四枚同じ大きさなのに対して、羽アリは前の羽が大きくなっています。飛び方も、シロアリは前後の羽根を別々に動かしますが、羽アリは同時に動かします。腰の部分もシロアリはずんどうで羽アリはくびれ腰をしています。シロアリは、松、杉などの針葉樹のほか、新建材やコンクリートなど建物のあらゆる部分を食い荒らします。また、暗くてじめじめしたところを好んで太陽の光をきらいます。建材の表面に出てくることがないため、知らず知らずのうちに被害が進行していることが多いのでやっかいです。疑わしいときには専門家に依頼したほうがよいでしょう。シロアリ被害の多い暖かい地域では、新築時に予防施工することが建築法規で義務づけられています。







●庭木の害虫
 気候がよくなってくると庭木に害虫が出てきます。しかし、害虫駆除は冬場に行うのがベターです。寒い時期ですと葉が落ちて木も休眠していますので、比較的濃度の高いものを使っても薬害が少なくてすむからです。冬季にはふつう石灰硫黄合剤とマシン油剤を使います。これを二、三週間おきに交互に何回か庭木にかければ、夏の時期の発生を少なく抑えられます。また、害虫が出る夏には、補助的に殺虫剤を散布する程度でよいでしょう。

●殺虫剤を使うとき
 煙の出る殺虫剤を使うとき、部屋は閉め切りますが、換気扇や戸のすき間などから煙が戸外に漏れて、近所の人が火事と勘違いすることがあります。使用するときには、玄関や窓にはり紙して、煙の出る殺虫剤を使っていることを明記するとともに、両隣の家には声をかけておきましょう。消防署では、「揚煙申請」といって、殺虫剤の煙を揚げるための申請を受け付けています。これは、煙の出る可能性、住所、氏名、使用時間、使用薬剤を届け出で、火事との誤認を少なくしようというものです。できれば、最寄りの消防署に電話しておくとよいでしょう。

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9.プロに掃除を頼むときの頼み方


●男女共働き時代の家事代行

家事の代行業 現代は、夫婦双方が働きに出るケースがふえており、家事労働の担い手がなくなってきています。 しかし、相変わらず家事労働は女性の仕事ときめつけている風潮もあり、女性は家庭と仕事で二重の労働をしいられかねません。 いわゆる掃除、洗濯、炊事といった家事労働の中で、せめてお掃除だけでも専門家に定期的に依頼し、生活にゆとりをつくつて、趣味やレジャーを 楽しみたいという家庭がふえています。












●プロに依頼するとき

 プロに依頼するときには、どの程度の掃除を期待しているのかを業者にはっきりと伝えることです。いちばんトラブルになりやすいのは、掃除という言葉のあいまいさによるものです。一口に掃除をするといっでも、方法や質・量がさまざまです。単に掃いてふくだけのだれにでもできる掃除から特殊な機械や薬品を使い、長年の勘や資格を必要とするものまであります。

@日常の掃除も定期的にプロに頼みたい場合。

A日常の掃除はなんとかできるけれども、専門的なテクニックで見ばえをよくしたい。たとえば、吹き抜けの高窓の清掃、高価なじゅうたんのクリーニング、アク洗いなどを依頼しだい場合など。一方、業者のほうでも掃除を安直に考え、責任者もいなくて、掃除などしたこともないようなアルバイト学生をさし向けてトラブルを起こしたというケースも聞きます。 掃除を依頼するときには、あらかじめ業者と具体的に打ち合わせ、双方がこのたびの掃除について描いているイメージを一致させておくことが大事です。もちろん、プロの滑除といっても限界があり、耐用年数が過ぎてしまったものや、きずついてどうにも補修がきかないものもあります。なんでもきれいにしますと安易に引き受ける業者は、むしろ敬遠したほうが賢明です。

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10.家事代行業者を利用するとき


 企業の労働力に対する考え方が変わり、女性労働者がふえて共働きの家庭になり、家事にさける時間が減ってきて、さらにこれらの家事の外注分野は発達していくものと思います。


●家政婦は家政婦紹介所を通してさがす

 家庭内の掃除、洗濯、炊事など大概の家事や、病院での付き添い看護を行っています。地元の家政婦紹介所を通してさがしてもらい、頼むときには、労働内容をはっきりと伝えます。よい人を得ることができればたいへん便利です。

●どんな雑事でも引き受けてくれる便利屋さん

 時間単位で料金が設定されており、比較的安い料金でどんな仕事でもこなしてくれるのが、"便利屋さん"。基本的には単なる人手貸しなので、技術を必要としないものを頼むとよいでしょう。

●ハウスキービング(メイドサービス)

 主婦が、数名のグループで時間単位で家事一般を行います。家事のエキスパートですから、日常的な掃除などを頼むとよいでしょう。

●ハウスクリーニング

 主に特殊技術で住宅を再生清掃することを目ざしています。男性数名でチームをつくり、家庭にお伺いします。技術を要するものなので、あらかじめ十分に話し合い、清掃内容を確定させる必要があります。結婚記念日にご主人から奥さまへプレゼントしたり、お中元、お歳暮に利用するかたもいます。

●漏水、排水の詰まり除去

 本来は水道屋さんの領域なのですが、急な依頼には、地元の業者でもなかなか応じてもらえません。民間の業者で、二十四時間サービスで漏水や排水の詰まりを手がけてくれるところもあります。緊急時には、料金をあらかじめ確認してから頼むとよいでしょう。

●出張パーティ業者
 若い家庭では、ホームパーティーを開くことがけっこう盛んになっています。こんなときに不可欠な軽食も、自分たちでつくると時間がかかり、それだけで疲れてしまいます。ことに共働きの家庭では主婦の負担がたいへんです。また、できばえにも気をつかわなくてはなりません。食事のメニューをととのえ、アトラクションなども引き受けてくれます。


奥付


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