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 1 建設業の許可と種類  


(1)建設業とは ━ 法第2条 ━ 
 建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請負うことをいいます。この建設業は(4)に掲げるとおり、28業種に分かれています。
 なお、ここでいう請負には、雇用、委任、建売住宅の売買などは含まれません。ご注意ください。
 
(2)許可を必要とする者 ━ 法第3条 ━
 建設業を営もうとする者は(1)に述べたとおり、元請、下請を問わず、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければなりません。ただし、軽微な建設工事(表1参照)のみを請負う場合は、許可は必要ありません。
● 許可を受けなくてもできる工事(軽微な建設工事) 
(表1)
建築一式工事以外の建設工事 1件の請負代金が500万円未満の工事(消費税含む。)
建築一式工事で右のいずれかに該当する工事
(1) 1件の請負代金が1,500万円未満の工事(消費税含む。)
(2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150u未満の工事 (主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
 
(3)許可の種類 ━ 法第3条,第15条 ━
ア 知事許可・大臣許可
 営業所の所在地によって知事許可・大臣許可に分かれます。営業所を東京都内のみに設ける場合は東京都知事許可になります。2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は、国土交通大臣許可となります。
 建設工事自体は、営業所の所在地に関わりなく、他府県でも行うことができます。例えば東京都知事許可を受けた建設会社は、営業活動は東京都内の営業所で行わなければなりませんが、その営業所における契約に基づいた工事は、東京都内以外でも施工可能となります。
イ 許可区分(一般建設業と特定建設業)
 許可は、一般建設業と特定建設業の許可に区分されています。一般建設業の許可と特定建設業の許可を、両方受けることは可能ですが、同一の業種について、一般建設業と特定建設業の両方の許可は受けられません。
 特定建設業の制度は、下請負人の保護などを目的として設けられているもので、次のように法令上特別の規定があります。
下請金額について
 発注者から直接請負う(元請)1件の建設工事について、その下請金額の合計が3,000万円以上(建築一式は4,500万円以上)の場合は特定建設業の許可が必要となります。ここでいう下請金額の合計とは、その1件の工事にかかるすべての一次下請業者に対する下請金額の合計です。二次以降の下請に対する制限はありません。
専任技術者について →詳細
財産的基礎について →詳細
 
(4)建設業の種類(業種)━法第3条(別表、昭和47年3月8日建設省告示第350号)
 建設工事には、次のとおり28の種類があります。(詳しい説明は、別添 表2のとおり)同時に2つ以上の業種の許可を受けられ、また、現在許可を受けている許可業種にほかの業種の許可を追加することも可能です。
 建設業の許可は、営業する業種毎に取得する必要があり、ある業種の許可を受けていても、許可を持っていない他の業種の工事を請負うことはできません。(但し、軽微な建設工事を除く。)
土木工事業(土木一式) 建築工事業(建築一式) 大工工事業 左官工事業
とび・土工工事業 石工事業 屋根工事業 電気工事業
管工事業 タイル・れんが・ブロック工事業 鋼構造物工事業 鉄筋工事業
ほ装工事業 しゅんせつ工事業 板金工事業 ガラス工事業
塗装工事業 防水工事業 内装仕上工事業 機械器具設置工事業
熱絶縁工事業 電気通信工事業 造園工事業 さく井工事業
建具工事業 水道施設工事業 消防施設工事業 清掃施設工事業
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 2 営業所の要件 ━ 法第3条 ━  
 営業所とは、本店、支店、その他常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいい、少なくとも次の要件を備えているものをいいます。
(1) 請負契約の見積り、入札、契約締結等の実態的な業務を行っていること。
(2) 電話、机、各種事務台帳等を備え、居住部分とは明確に区分された事務室が設けられていること。
(3) 経営業務の管理責任者又は建設業法施行令第3条に規定する使用人((1)に関する権限を付与された者)が常勤していること。
(4) 専任技術者が常勤していること。
 したがって、単なる登記上の本店、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、この営業所に該当しません。また、登記されているような支店であっても、建設業を担当しない支店も含まれません。営業所の要件については、許可の審査に際し、立入調査を行うことがあります。
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 3 許可の有効期間 ━ 法第3条 ━  
 許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了となります。許可の有効期限の末日が日曜日等の行政庁の休日であっても同様の取扱いになります。
 したがって、引き続き建設業を営もうとする場合には、期間が満了する日の30日前までに、当該許可を受けたときと同様の手続きにより更新の手続きをとらなければなりません。手続きをとらなければ期間満了とともに、その効力を失い、許可業者としての営業をすることができなくなります。
 なお、更新手続きをとっていれば、有効期間の満了後であっても許可がおりるまでは、前の許可が有効です。
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 4 許可の基準(許可要件) ━ 法第7,8,15条 ━  
 許可を受けるためには、次の(1)〜(5)をすべて満たしていることが必要です。
(1)
経営業務の管理責任者(常勤の役員)がいること。
(2)
専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること。
(3)
請負契約に関して誠実性を有していること。
(4)
請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること。
(5)
欠格要件等に該当しないこと。
上記(1)〜(5)についての説明は以下のとおりです。
 
(1)「経営業務の管理責任者」の要件
 「経営業務の管理責任者」とは、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行する者のことです。法人では常勤の役員のうち1人に、個人では本人又は支配人のうち1人に、(表3)の資格要件を満たすものがいなければなりません。
(表3)
一 般 建 設 業 特 定 建 設 業
法第7条第1号
 許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
 イと同等以上の能力を有するものと認められた者
  1  許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
  2  許可を受けようとする建設業に関し7年以上経営業務を補佐した経験を有する者(事前にご相談ください。)
  3  その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者(外国企業等)
法第15条第1号
同      左
 2以上の業種の許可を申請する場合において、例えば一人の者がすべての業種それぞれについて上記の要件を満たしている場合、その一人ですべての業種の経営業務管理責任者となることができます。詳細についてはご相談ください。
 表3のロ2は、個人事業主が死亡したケースを救済する場合等に適用する基準です(この場合、廃業届を出し、新規の許可を申請することとなります。)が、かなり例外的な扱いとなりますので、具体的な事例については事前にご相談ください。
 他の法令により専任性を要するとされる者(他社の建設業に関する技術者、管理建築士、宅地建物取引主任等)と兼任することはできません。ただし、同一法人で同一の営業所である場合は、兼任することができます。
 
(2)「専任技術者」の要件
 「専任の技術者」とは、その営業所に常勤して、専らその業務に従事する者をいいます。建設工事に関する請負契約の適正な締結とその履行を確保するため、各営業所は、その営業所の許可業種毎に、(表4)のいずれかに該当するものを置かなければなりません。
(表4)
一 般 建 設 業 特 定 建 設 業
法第7条第2号
 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者
 学校教育法による高校(旧実業学校含む。)、所定学科卒業後5年以上、大学(高専・旧専門学校含む。)、所定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者(学科については建設業法施行規則第1条を参照のこと。)
 10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格を問わない。)
 イ、ロと同等以上の知識、技術又は技能を有すると認められた者(別に定める国家資格(注1)を有する者。施工(管理)技士、建築士、技術士、技能士など。昭和47年3月8日建設省告示第352号)
法第15条第2号
 国土交通大臣が定める試験及び免許(昭和63年6月6日建設省告示第1317号)参照のこと。一級の施工(管理)技士、一級の建築士、技術士
 法第7条第2号イ・ロ・ハ(左記)に該当し、許可を受けようとする業種に関して2年以上の指導監督的な実務経験(元請で、その請負代金が建設業法施行令第5条の3(注2)に定める金額以上の工事)を有する者
 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
   
指定建設業(建設業法施行令第5条の2;注3)については、上記のイ又はハに該当するものであること。
注1
 国家資格等について、技術者の資格表(PDF/19KB)があります(印刷してお使いください)。試験の実施機関等、その他詳細については、国土交通省告示または東京都発行の「建設業許可申請・変更の手引」を参照してください。
注2
 建設業法施行令第5条の3に定める金額:4,500万円以上(平成6年12月28日以前の工事については3,000万円以上、昭和59年10月1日以前の工事については1,500万円以上)
注3
 指定建設業:土木、建築、電気、管、鋼構造物、ほ装、造園
 2以上の業種の許可を申請する場合において、例えば一人の者がすべての業種それぞれについて上記の要件を満たしている場合、その一人ですべての業種の専任技術者を兼任することができます。ただし、兼任することができるのは同一営業所内のものに限ります。詳細についてはご相談ください。
 「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」との双方の基準を満たしている者は、同一営業所内において兼任することができます。
 他の法令により専任性を要するとされる者(他社の建設業に関する技術者、管理建築士、宅地建物取引主任者等)と兼任することはできません。ただし、同一法人で同一の営業所である場合は、兼任することができます。
 「実務経験」とは、許可を受けようとする業種に関する技術上の経験をいい、具体的には、建設工事の施工を指揮、監督した経験及び実際に建設工事の施工に携わった経験のことです。この経験には、請負人の立場における経験のみならず、建設工事の注文者側において設計に従事した経験あるいは現場監督技術者としての経験も含みますが、工事現場における単なる雑務や事務の仕事に関する経験は含まれません。
 「指導監督的な実務経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任又は工事現場監督のような資格で工事の技術面を総合的に指導した経験をいいます。
 
(3)誠実性
 請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかなものではないこと。対象者は(表5)。
 不正な行為:請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等、法律に違反する行為
 不誠実な行為:工事内容、工期等、請負契約に違反する行為
(表5)
一 般 建 設 業 特 定 建 設 業
法第7条第3号
 対象となる者
法人の場合: 当該法人、役員、支店長・営業所長等
個人の場合: 個人事業主、支配人
法第15条第1号
同      左
 
(4)財産的基礎
請負契約を履行するに足る財産的基礎等のあること(表6)。
(表6)
一 般 建 設 業 特 定 建 設 業
法第7条第4号
 次のいずれかに該当すること。
1 自己資本が500万円以上あること。
2 500万円以上の資金調達能力のあること。
3 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること。
法第15条第3号
 次のすべての要件に該当すること。
1 欠損の額が資本金の20%を超えないこと。
2 流動比率が75%以上であること。
3 資本金が2,000万円以上あること。
4 自己資本が4,000万円以上あること。
一般建設業について(補足)
1 「自己資本」とは貸借対照表「資本の部」の「資本合計」の額をいいます。
2 「資金調達能力」については、担保とすべき不動産を有していること等により、金融機関等から資金の融資が受けられる能力があるか否かが判断されます。
  *取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書、融資可能証明書等(いずれも証明現在日より1か月以内)
特定建設業について(計算方法について補足:表7参照)
・法    人: 申請時直近の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)に基づき、判断します。
・個    人: 表7の4に示された金額以上の預金残高証明書を提出してください(新規申請時のみ)。
・法人及び個人: 欠損比率については、当期未処分利益がある場合や、内部保留(資本準備金+利益準備金+任意積立金)が当期未処理損失を上回る場合には、下記の計算式を使う必要はありません(20%以下であることは明らかなため)。
(表7)
事   項 法         人 個         人
1欠損比率
(当期未処理損失−(資本準備金+利益準備金+任意積立金)) / 資本金 × 100% ≦ 20% (事業主損失+事業主借勘定−事業主貸勘定) / 期首資本金 × 100% ≦ 20%
2流動比率 流動資産合計 / 流動負債合計 × 100% ≧ 75% 流動資産合計 / 流動負債合計 × 100% ≧ 75%
3資本金額 資本金 ≧ 2,000万円 期首資本金 ≧ 2,000万円
4自己資本 資本合計 ≧ 4,000万円 資本合計 ≧ 4,000万円
 
(5)欠格要件等 ━ 法第8条 ━
下記のいずれかに該当するものは、許可を受けられません。(一般、特定共通)
 許可申請書若しくは添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。
 法人にあってはその法人の役員、個人にあってはその本人、支配人、その他支店長・営業所長等が、次のような要件に該当しているとき。
 
1
 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 
2
 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者
 
3
 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しないもの
 
4
 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼす恐れが大であるとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しないもの
 
5
 禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 
6
 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、もしくは「暴力団員による不当な行為の防止に関する法律」の規定に違反し、刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

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